会社設立のメリット・デメリット
個人事業・法人(会社)のメリット・デメリット(一般的なもの)
個人事業
メリット |
個人事業
デメリット |
法人(会社)
メリット |
法人(会社)
デメリット |
開業手続きが少ない
(登記の必要がない) |
法人に比べて社会的信用が低い |
個人に比べて社会的信用が高い |
設立費用がかかる
(約25〜30万円程度) |
従業員が5人未満の場合は社会保険の加入の義務がない |
事業主に給与を支給できない
(給与所得控除を使えない) |
社長等に給与が払える
所得の分散ができる
(給与所得控除を使える) |
社会保険料の負担が増える |
青色専従者給与を払える
(所得の分散がある程度できる) |
法人に比べて資金調達の手段が限られている |
資金調達の手段が多様である |
法人住民税の負担が増える |
交際費を全額必要経費にできる(※1) |
事業主や事業専従者に退職金を支払えない |
経営者への退職金を必要経費にできる |
個人事業に比べて税理士費用がかかる
|
法人に比べて税務調査が少ない(※2) |
家計と事業が混同して経理が明確でない
(※3) |
経理が明確になる
(※3) |
税務調査が個人事業に比べて多い(※2) |
上記に挙げたメリット・デメリットは一部を抜粋しています。
元国税調査官として以下の点を補足します。
※1
個人事業のメリット交際費の全額が必要経費にできることが挙げられることがありますが、そんなことはありません。交際費に該当するかどうか(個人的なものであるかどうか)税務調査でチェックされるするからです。個人事業の場合には、家計費との区分が明確でないため、より細かくチェックされます(家事費でないかどうか等)。個人事業の場合には、一般的に規模が小さいため、必要経費で確認するところがあまりありません。また、確認すべき資料も少ないため、交際費の領収書等まで細かくチェックされることが想定されます。自分でこれは「交際費」だと思っていても、税務調査で否認されることがありますので、交際費が全額必要家費になるということが、メリットといえるかどうかは疑問です。
※2
法人の方が個人事業に比べて税務調査が多いというのも一般的な言われてはいますが、全体的(統計的には)には、そうかもしれませんが、法人だから一定期間ごとに必ず税務調査があるとうわけでわけでもありせん。また、個人事業については、規模がすごく小さいもの(副業的なもの等)からある程度の規模のものまで様々です。しかし、税務調査に行くだけのものはそのうちごく限られたものしかありません。個人事業者への調査等の資料では計算の基礎となる分母の事業者が多すぎるため、あまり調査に行っていないとなっているだけです。また、ある程度の規模(又は所得)で個人事業を行っていれば逆に目立ちますので、まず調査の対象となると考えられます。
※3
法人のメリットとして、法人化すると個人のときより経理が明確になるといわれたりします。これも一般的なものでしかありません。個人事業であっても経理が明確になっている事業者も当然あります。この場合にも、個人事業者全体でみると経理が明確でないといえるかもしれませんが※2でみたようにある程度の規模のところだけをみれば経理が明確でないわけではありません。また、法人化すると経理が明確になるといわれますが、中小企業のほとんどが株主=社長=会社です。大企業(上場企業等)のように考えるわけにはいきません。公私の区別が十分でない会社も多いのではないかと思います。なぜなら、税務調査で指摘されるところは、経理の体制が不十分で間違った処理がされていたり、経営者の公私の区別が十分でないことから、個人的なものが会社の経費(損金)とされていたりすることから発生することが多いからです。
税金は事業をしていく上でのコストですのでムダな税金は支払わないということは大切ですが、会社は節税マシンではありません。事業の目的(経営者の夢や想い)をかなえるものではないでしょうか!文章を入力してください。